現在、わが国では約30万人の患者さんが人工透析を受けています。そしてその95%は血液透析です。スムーズな血液透析行うためにはシャントを代表とする良好なブラッドアクセスが必要です。しかし、現実にはこのブラッドアクセスに伴うトラブルが患者さんや医療スタッフを苦しめています。
私たちは血管外科の立場から、医療法人生寿会かわな病院を中心に平成14年からシャントの造設・管理にかかわってきました。「シャントで泣く患者をひとりでも減らしたい。シャントで困る施設をひとつでもなくしたい」という思いで毎日診療を行ってきました。その結果、周辺施設および患者さんのご理解も得られ、平成23年度には約800件のシャント手術と2900件の経皮的シャント拡張術(PTA)を行うことができました。また、私を含め5人の外科医および多くの看護スタッフも集まり、アクティビティの高い組織を作ることができました。これらは日本でもトップクラスの規模と診療実績であると自負しております。
私たちの理念は以下のことです。
・良質そして適切な透析外科医療を行い、地域に貢献する。
・患者から信頼される医療を提供する。
・スタッフに働きがいのある、納得できる職場を提供する。
・患者およびスタッフの思いを理解・共感できる組織となる。
・関連する施設・患者に働きかけ、地域の中での存在意義を確立する。
この理念をより明確に実践するため、今回、私たちは独立し、新しい血管外科クリニックを作ることとしました。そこでは、スタッフ全員が自分たちの使命を見つめ、求められるサービスに敏感に対応し、今まで以上に良質な環境と医療を提供したいと思います。
今後も一層の精進をするつもりですので、皆さまのご協力をよろしくお願いします。